【坂田幹靖さん】…フランス料理店GINZA kanseiオーナーシェフ岩手県のすぐ隣の宮城県栗原市出身。震災以前から「いわて」フレンドリーレストランとして、岩手県の食材を使った美味しいメニューを提供。2008年より希望郷いわて文化大使として活動するなど、岩手との縁も深い。震災後はスタッフとともに毎月のように被災地に出向いて炊き出しを行う。震災から2年が経とうとしている現在でも、被災地で料理教室を開催するなど、継続的な支援を行っている。
以前から岩手の食の魅力に惹かれて・・・。
 岩手県のお隣、宮城県の栗原市に生まれたこともあり、岩手は常に身近な存在でした。10数年前に「いわてフレンドリーレストラン」に認定され、その後「希望郷いわて文化大使」に任命していただきました。その間ずっと、岩手を何度も訪れて、魅力的な食材を使わせていただいてきました。岩手県は県土がとても広くて、北部と南部では気候風土がまったく異なります。ですから、食材の種類も多い。また、山あり谷あり海ありで、人口が少ないですから生活排水も少ない。つまりは水がキレイなのです。さらには寒冷地であるため病害虫が発生しにくく、とても優れた美味しい農作物が採れるんです。それらを料理に使わせていただきたくて、ずいぶんとあちこち歩き回りましたね。

震災直前にも岩手を訪問。

 実は震災直前の3月8日から9日にかけても、釜石や大船渡、陸前高田あたりをまわっていたんです。大船渡の小さな浜のカキ小屋で最高に美味しいカキをいただいたり、干しアワビのサンプルをいただいたりしました。釜石では世界トップクラスの品質のキャビアの商談をしたり、陸前高田では醤油の蔵を見学させていただいたり・・・。その時も確か震度5程度の地震があって、避難したのですが、まさか2日後にあんな大震災が来るなど、思ってもみませんでした。
いわてへのエール 第4回│フランス料理店GINZA kansei オーナーシェフ 坂田幹靖さん