【八神純子さん】…1978年「思い出は美しすぎて」でデビュー。ビッグヒットを連発し一世を風靡。透明感のあるハイトーンヴォイスと豊かな声量で聞く人を魅了するシンガーソングライター。現在は米国在住であるが、東日本大震災を機に月に1回程度来日しており、復興支援のためのチャリティライブを国内外で数十回行い、被災地に寄付を届けていただいた。ライブでは、ヒット曲のほか、復興への想いをこめて作られた「翼」や、大槌町を訪れた際に小学生からもらった感謝のカードに書かれていた言葉をもとに作られた「枯れ木に花を咲かせましょう」を歌い、多くの人に感動を届けている。また、数えきれないほど岩手を訪れ、炊き出しライブや仮設住宅でのお茶会などで被災した方々を励まし続けている。
岩手に通う中で見つけた、岩手の魅力
 釜石市で屋外ライブをしたときに、女の子が「瓦礫で作ったキーチェーン」をプレゼントしてくれたんです。その出逢いがあって、キーチェーンを私のコンサートで売ったり、いろんな人に紹介したり、自分が身につけたりとか、いろいろな形で応援させていただいています。それを作っているのは、大槌町で頑張っている若者たちなんです。大槌は自治体の庁舎も流されて、たくさんの方が亡くなっていますから、ゼロからスタートしないといけないというところ。その中でエネルギーを持っている若い人たちというのは、とても大事な存在だと思います。
  彼らが中心となって、また街を活気づけてくれたり、今は、コミュニティーセンターを作る動きをしていて、それも私たちが協力できるんじゃないかと思いまして、いろいろなところに声をかけてお金を集めたり、署名運動もさせていただいています。コンサートやテレビ、ラジオの出演時に「東北の支援は、向こうに行って瓦礫を掃除することだけじゃない、節電するのもそうだし、東北の美味しい物を買うことだって支援になるんです」って言ってきました。私たちのチャリティはその日のテーマが決まっていて「今日はココのためにお金を集めよう!」って、具体的な目的・目標をお伝えしてお金を集めるんですね。ディナーショーでも「東北の食材を使ってくれる」という条件で開催していますが、食べてショーを観てもらうだけじゃなくて、お客さまと一緒に「命の尊さ」に乾杯できるような、そんな場にしていきたいという思いがあります。
いわてへのエール 第2回│シンガーソングライター 八神純子さん