【白井貴子さん】…神奈川県藤沢市出身、鎌倉市在住。フェリス女学院短期大学音楽科卒業。1981年 CBSソニーよりデビュー。学園祭の女王として一世を風靡する。その後一時渡米。帰国後は、個人レーベル『ROD』を設立し、作詞、作曲、バンド活動等幅広く活動。東日本大震災以降、幾度となく岩手県内を訪れ、チャリティライブなどを実施。陸前高田市を訪れる中で、被災地を元気付けたいという思いから『松の花音頭』を制作。
岩手を「人の幸せ」を実感できる場所に。

私は自然が好きで、よくキャンプをしたりするのですが(キャンプ体験を通して思うのは)、日が昇ったら起きて、暗くなったら寝る・・・そんなライフスタイルに回帰していくべきではないのかということ。震災から原発問題などを受けて、私たちはいま一度、人間本来の暮らしの在り方や、利便性を追求する中で手放してしまった幸せについて考えなくてはならないと思います。そうした“これからの生き方”をメッセージする場が東北、そして岩手のように思えて、それで足しげく岩手に通わせていただいています。岩手には、「人の幸せ」を実感できる場所になってほしい。その可能性はたくさんあると思います。まず、なにより、人があったかい!行くたびに優しさを感じます。また、海も山もあって、そこで収穫される食べ物も美味しい。忘れられないのが、陸前高田市で食べた「りんご」の美味しさ!でも、美味しいって言うと、被災地の皆さんが贈ってくれるんですよ。だからあんまり声高に言いたくない(笑)。被災した皆さんから贈り物をいただくなんて・・・。でもほんとうに「こんなりんごがあったのか!」って言うぐらい美味しい(笑)。これからも、心の中で私の曲「元気になあれ」を口ずさみながら、何度も足を運ばせていただきたいと思います。


いわてへのエール 第3回│シンガーソングライター 白井貴子さん